2012年07月07日

富山の薬売りのおばあちゃん

去年のひまわりのこぼれ種が芽吹き、
ひまわりがずいぶん大きくなりました。
富山の薬売りのおばあちゃん



先日会社へ配置薬の営業の男性が見えた。

以前から感じていたのだが、
親切でさわやかなのだがその人が悪いとかじゃなくて…



なんか違和感があるのだ。



その時はそのままスルーしてしまったのだが、
今日ふと富山から来ていたおばあちゃんの事を思い出した。



その薬売りのおばあちゃんは、
俺が物心ついたときからおばあちゃんだった(笑)
親戚や、駄菓子屋のばあちゃんが昔からずっとばあちゃんだったのと同じく、
正しくばあちゃんのままだった。

うちに来ると大体1時間は家でゆっくりしてくれて、
母親は子供(俺)の体調や子育ての相談なんかをして、
俺は必ず貰う風船で遊んだりした。

お茶を飲んで、お菓子を食べて、
俺の方を見て「また来るよ」と手を振って帰って行った。

なんて事はないんだけど、
おばあちゃんが来るのは結構楽しみだった。

ある日、くれた風船をリンゴの形にしてくれたのがとても嬉しくて、
その後は来るたびにそれをねだっていた記憶がある。

今たまに見かけるバルーンアートなんかよりも、
とても価値のあるものに感じたのだ。

以前我が家は町営の長屋に住んでいて、
周りは本当に貧乏な若い夫婦が多かった。
段々家を建てる様になり、うちも縁があり念願のマイホームを親父が建てた。

引っ越してからも半年に一度おばあちゃんはやってきた。

相変わらずお茶を飲んでお菓子を食べながら談笑して帰ったっけ。

ただこの頃からおばあちゃんは運転手つきになっていた。

もう高齢で流石に富山から群馬はきつかったのだろう。
それでもお客が待っているからとおばあちゃんは、
わざわざ息子さんに運転を頼んでまで来てくれていた。
どこかで待っていておばあちゃんが帰るときに併せて迎えに来てくれる。

迎えが来る都合で以前の様にゆっくり出来なくなっていた。


そしてそんな事がつづいた数年後、
ある日見知らぬ男性が我が家に現れた。



「○○さんが廃業されて、当社へ全て移譲されました」との事。



そうだ…
違和感はこの時に始まったのだ。

その後年齢から言ってもおばあちゃんは亡くなっているのかも知れない。

そして薬やさんが来るたびにその思い出と共に、
俺はきっとまた違和感を感じるのだろう。


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Posted by ウチダプリント at 10:10│Comments(0)日常
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